しまね伝統芸能祭2025オープニング公演 『渡来バード、ドライバー』
- nitta31
- 4月27日
- 読了時間: 4分
更新日:9月6日

グラントワ中庭が一夜限りの特別な空間に―
グラントワ中庭広場を舞台に展開する創造作品『渡来バード、ドライバー』を「しまね伝統芸能祭2025」のオープニング公演として開催。国内外から注目を集める表現者4名が、2024年12月中旬、島根県西部・石見地域に滞在しリサーチを実施、多様な伝統芸能の原点である自然・風土・生活文化へまなざしを向けた、新たな作品の創造に挑戦する試みでした。石見地方の民話が作品の中核となるテーマとして登場するほか、リサーチの際に採取した素材や音を作品に昇華し、発表しました。新たな解釈・表現により、地域の魅力が掘り起こされ、未来に向けて新しい創造の可能性が広がることを目指しました。
▶パンフレット『渡来バード、ドライバー』ができるまで(PDF)
[公演]グラントワ開館20周年記念 しまね伝統芸能祭2025 オープニング公演
『渡来バード、ドライバー』
[日時]2025年4月27日(日)日没後開演 ※日没時刻18:50ごろ
[会場]島根県芸術文化センター「グラントワ」中庭広場
[料金]入場無料 / 申込不要 / 全席自由
出演:

大口俊輔 Shunsuke Okuchi (音楽家)
音楽家。大工。東京藝術大学卒。ファッション、演劇、映画等に楽曲・演奏を多数提供。
音楽にとどまらず、ものを作ることがライフワーク。フィールドRecした音、電子音、生楽器、あらゆる素材で音楽を織る。

福原千鶴 Chizuru Fukuhara (小鼓奏者)
小鼓と声を中心とする演奏家。
坂田明「平家物語」、同世代のミュージシャンと、谷川俊太郎をはじめとした詩人による「VOICE SPACE」、唐組の俳優との朗読劇、松尾スズキ「ニンゲン御破算」、声優による朗読劇VOICARION「信長の犬」(帝国劇場他)などに参加し表現の幅を広げている。東京藝術大学にて博士号取得。

志人 Sibitt (語部)
独自の音声言語と韻律の探求により声ならぬ聲で空紙-そらがみ-に新しき星座を編む諷詠のもの

中山晃子 Akiko Nakayama (画家)
画家。液体から固体までさまざまな材料をあつかい絵を描く「Alive Painting」というパフォーマンスを行う。あらゆる現象や現れる色彩を、生物や関係性のメタファーとして作品の中に生き生きと描く。色彩が渾然となり変化していく作品は、即興的な詩のようでもある。
リサーチ実施日:2024年12月中旬
リサーチ先:
三瓶小豆原埋没林公園(大田市)、琴ヶ浜の鳴り砂(大田市)、風の工房 石州勝地半紙(江津市)、大元神楽伝承館(江津市)、浜田市金城民俗資料館(浜田市)、石州和紙会館(浜田市)、佐毘売山神社(益田市)、蟠竜湖(益田市)
リサーチ協力:
公益財団法人しまね自然と環境財団(三瓶小豆原埋没林公園)/馬路まちづくりセンター/風の工房 石州勝地半紙/大元神楽伝承館/大元神楽市山神友会/浜田市金城民俗資料館/浜田市金城歴史民俗資料館/西中国山地民具を守る会/民話・わらべ歌研究家(元島根大学法文学部教授) 酒井董美/民話の会「石見」
『穀物の種を伝えた狭姫』
むかし、朝鮮半島から日本へと、大海原を一羽の赤い雁が飛んできた。その背中には、狭姫という小さな神様が乗っていた。そして、その手には、母親の大気津姫から形見として手渡された稲、麦、豆、粟、ヒエの五穀の種がしっかりとにぎられていたんじゃ。「わたしが死んだら、わたしの体から、穀物の種が生えるから、おまえはそれを持って東方の日本へ行って暮らしなさい。」母親が、乙子(末っ子)の狭姫に残した遺言じゃった。赤い雁に乗った狭姫は、はじめに見つけた小さな島に降りようとしたんじゃが、「ここでは、魚を捕って食うから種はいらん。」といって断られたんじゃ。そこで再び雁の背に乗った狭姫は、比礼振山にやって来て、その里の人たちに種を分けたちゅうことじゃ。その里がいまの[乙子町]で、種を伝えたから[種]という名前がつけられ、[赤雁]の地名も赤い雁が降りたことから付けられたということじゃ。
出典:「益田の民話」(益田の文化を育てる会)
主催:島根県・(公財)しまね文化振興財団(いわみ芸術劇場/島根県民会館)
共催:芸術文化とふれあう協議会
技術スタッフ:いわみ芸術劇場 舞台技術振興課/協力:有限会社アパス
写真撮影:平野太呂(リサーチ)/なかにしみづほ(本番)
映像撮影:株式会社 益田工房
助成:(一財)地域創造



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